ニキビが治らない原因とその対策

ニキビの原因とは?

肌のターンオーバー

ニキビは、毛穴の詰まり・皮脂の過剰分泌・アクネ菌の増殖といった複数の要因が重なって発生します。

肌は本来、一定の周期で古い角質がはがれ落ち、新しい細胞に生まれ変わる「ターンオーバー」を繰り返していますが、何らかの影響でこのサイクルが乱れると、毛穴の出口がふさがれやすくなります。
皮脂がたまり、アクネ菌が増殖することで炎症が起こり、ニキビができやすくなってしまうのです。

生活習慣やスキンケア、ホルモンバランスの変化なども密接に関係しており、総合的な対策が求められます。

ホルモンバランスの乱れ

ホルモンの変化は皮脂分泌に大きく影響します。

思春期に多く見られるニキビは、アンドロゲン(男性ホルモン)の増加によって皮脂腺が刺激されることが主な原因です。
一方で、大人ニキビは女性ホルモンの乱れやストレスの影響で発症するケースが多く、特に生理前や不規則な生活が続いたときに悪化しやすい傾向があります。

ホルモンバランスが崩れるとターンオーバーの乱れや皮脂の過剰分泌を招くため、規則正しい生活やストレスケアのほか、根本から肌環境を整える意識が必要です。

皮脂の分泌過剰

皮脂は肌のうるおいを守る大切な役割を担っていますが、皮脂の分泌が多すぎると毛穴に皮脂が詰まり、ニキビの原因となる角栓が形成されやすくなります。

脂性肌の方や、糖質・脂質に偏った食事をしている方は特に注意が必要です。
また、ストレスやホルモンの乱れも皮脂分泌を活発にさせる要因の一つです。

皮脂が多すぎるとアクネ菌が繁殖しやすくなり、炎症が悪化する可能性も高まります。
肌質に合ったスキンケアを心がけ、皮脂バランスを整えることを意識しましょう。

生活習慣と食生活の影響

睡眠不足が続くと成長ホルモンの分泌が減少し、肌の修復力が低下。
さらにストレスはホルモンバランスを乱し、皮脂の分泌を促進させてしまいます。

また、糖質や脂質の多い食事は皮脂腺を刺激し、毛穴詰まりを引き起こしやすくなります。
反対に、ビタミンB群やビタミンE、亜鉛などは肌の新陳代謝をサポートし、ニキビの改善に役立つ栄養素です。

日々の生活を整えることが肌トラブルの予防にもつながっていきます。

間違ったスキンケア

自己流のスキンケアがニキビを悪化させていることも少なくありません。

たとえば、ゴシゴシと強くこするような洗顔や、刺激の強い化粧品の使用は、肌のバリア機能を損なう原因になります。
バリア機能が低下すると、乾燥を防ごうと皮脂が過剰に分泌され、結果的に毛穴詰まりや炎症が起きやすくなります。
また、洗顔料のすすぎ残しや過剰なピーリングなども要注意。

肌質に合ったアイテムを選び、正しい洗顔・保湿を行いましょう。

ニキビのメカニズム

ニキビは、皮脂の過剰分泌から始まり、毛穴の詰まり、アクネ菌の繁殖、炎症、そして膿の蓄積という一連のプロセスを経て発症します。

肌のターンオーバーが乱れることで毛穴の出口が塞がれ、皮脂がたまりやすい状態になります。
そこに常在菌であるアクネ菌が繁殖すると炎症が起こり、症状が進行していくのです。

それぞれの段階が複雑に関係しており、適切なケアができていないと悪化しやすくなってしまいます。

皮脂分泌の増加

皮脂分泌の増加

皮脂は本来、肌を乾燥や外部刺激から守る役割を担っています。

しかし、思春期のホルモン変化やストレス、乾燥などの影響で皮脂が過剰に分泌されると、毛穴の中に皮脂がたまりやすくなります。
その結果、毛穴が詰まりやすくなり、アクネ菌が増殖して炎症を引き起こすことでニキビができてしまうのです。

特に男性ホルモンの影響を受けると皮脂腺の働きが活発になり、ニキビができやすい環境が整ってしまいます。

毛穴(毛包)出口の角化異常

毛穴(毛包)の角化

ターンオーバーが乱れると古い角質がうまく剥がれず、毛穴の出口に蓄積されてしまいます。
この状態を「角化異常」と呼び、毛穴をふさぐ原因となります。

角化した毛穴は皮脂の排出を妨げ、毛穴内部に皮脂や汚れが溜まって角栓を形成します。
その結果、ニキビの初期段階である白ニキビができやすくなるのです。

アクネ菌の増殖

アクネ菌の増殖

毛穴の中に皮脂がたまると、アクネ菌が増殖しやすい環境になります。

アクネ菌はもともと皮膚に常在する菌ですが、毛穴がふさがった状態では酸素が届きにくくなり、菌にとって都合の良い無酸素状態が生まれます。

栄養となる皮脂も豊富にあるため、アクネ菌が急激に増えて炎症の引き金となってしまいます。

炎症反応

赤ニキビ

アクネ菌が増殖すると、毛穴の内部で炎症が起こりはじめます。
炎症が進むにつれて赤みや腫れを伴う赤ニキビとなり、痛みを感じることもあります。

さらに、炎症が毛穴のまわりの皮膚組織にまで広がることで、見た目の悪化だけでなく肌へのダメージも深刻になりやすくなります。

膿が溜まる

嚢胞ニキビ

炎症がさらに悪化すると、毛穴の中に膿がたまり、黄ニキビや膿ニキビと呼ばれる状態になります。

膿は、アクネ菌や炎症によって集まった白血球や細菌の死骸などが混ざったもので、放置すると周囲の組織にまで炎症が広がる恐れがあります。

そのままにしておくと、ニキビ跡や色素沈着の原因にもなってしまうため、適切なスキンケアや治療が必要です。

年齢別に見るニキビの原因

思春期ニキビと大人ニキビの特徴

ニキビは年齢によって原因や現れ方が異なります。

思春期に見られるニキビはホルモン変化による皮脂分泌の増加が主な原因で、Tゾーンにできやすいのが特徴です。
一方、大人ニキビはストレスや生活習慣の乱れなど、複合的な要因が関係しており、Uゾーンを中心に慢性的に繰り返す傾向があります。

それぞれのライフステージに合った対策が、肌トラブルの予防と改善には欠かせません。

思春期ニキビの特徴と原因

思春期ニキビは、10代から20代前半にかけて多く見られ、特に額や鼻、頬の上部などTゾーンに集中します。

成長期には男性ホルモンの分泌が活発になり、皮脂腺の働きが強まることで皮脂の分泌量が増加。
毛穴が詰まりやすくなり、白ニキビや黒ニキビができやすくなります。

さらに、部活動や通学時の汗や汚れも悪化の要因となるため、正しい洗顔や保湿などの基本的なスキンケアが重要です。
適切に対処すれば、成長とともに自然に改善するケースも少なくありません。

大人ニキビの特徴と原因

大人ニキビは、25歳以降に見られるニキビで、顎やフェイスラインといったUゾーンにできやすいのが特徴です。

思春期と異なり、ストレスや睡眠不足、食生活の乱れ、ホルモンバランスの崩れなど、複数の要因が絡み合って発生します。
また、仕事や家庭など社会的なストレスが多くなる年代であるため、肌の不調が慢性化しやすい傾向があります。

さらに、40代以降になるとエストロゲンの減少によって乾燥が進み、ターンオーバーの乱れからニキビができやすくなることも。
スキンケアだけでなく、生活習慣の見直しやストレスケアも含めた総合的な対策が必要です。

部位別に見るニキビの原因

ニキビは顔だけでなく、背中や胸など体のさまざまな部位に現れます。
できる場所によって原因が異なるため、それぞれに合った対策が必要です。
ここでは、顔・背中・胸の3つの部位に分けて、ニキビができる主な理由と注意点をご紹介します。

顔のニキビ

顔にできるニキビは、部位ごとに原因が異なることが多くあります。

額や鼻などのTゾーンは皮脂分泌が活発なため、毛穴が詰まりやすく、思春期にニキビができやすい部位といえます。
一方、頬や顎のニキビは、ホルモンバランスの乱れや生活習慣の影響を受けやすく、特に女性に多く見られます。

また、マスクの着用や頬杖、枕カバーの不衛生など外的な刺激も要因のひとつ。
さらに、前髪や整髪料が肌に触れることで、額やこめかみにニキビが出るケースも少なくありません。

原因を見極め、部位に合ったケアを行うことが大切です。

背中のニキビ

背中は皮脂腺が多く、汗もかきやすいため、ニキビができやすい部位のひとつです。

特に運動後の汗や衣服との摩擦、シャンプーやボディソープのすすぎ残しなどが毛穴詰まりの原因となります。
加えて、マラセチア菌というカビが原因の「マラセチア毛包炎とニキビは見た目が似ているため、長引く場合は医療機関での確認をおすすめします。

胸のニキビ

胸元にできるニキビは、汗や皮脂、衣類との摩擦が主な原因です。

特に夏場や運動時は汗をかきやすく、毛穴に汚れがたまりやすい状態になります。
また、ブラジャーや下着の素材や締め付けによる刺激も悪化の要因となることがあります。

肌に触れる衣類は通気性の良いものを選び、入浴後は保湿ケアも忘れずに行いましょう。

ニキビを悪化させる要因

間違ったスキンケア

洗顔のしすぎやゴシゴシこする行為は、肌のバリア機能を壊し、乾燥や皮脂の過剰分泌につながります。

また、紫外線対策不足やメイクをしっかり落とさずに眠ることも毛穴詰まりの原因に。
やさしく洗い、UVケアやクレンジングを丁寧に行うことが大切です。

ストレスの影響

ストレスは、ホルモンバランスや自律神経に影響を与えるため、肌トラブルを引き起こす一因となります。

特に、ストレスを感じたときに分泌される「コルチゾール」というホルモンは、皮脂腺を刺激して皮脂の分泌を増やす性質があります。
その結果、毛穴が詰まりやすくなり、ニキビの炎症が悪化することもあるのです。

軽い運動や深呼吸など、日常の中でリラックスできる方法を見つけて、心身のバランスを整えていきましょう。

ニキビ対策の基本

正しい洗顔方法

正しい洗顔方法

洗顔は朝と夜の1日2回、ぬるま湯と泡立てた洗顔料でやさしく洗うのが基本です。

ゴシゴシこすったり、洗いすぎたりすると、肌のバリア機能が低下してしまいます。
洗顔後はタオルで軽く押さえるように水分を取り、30分以内に保湿ケアを行うのが理想的です。

ニキビ用洗顔料を選ぶ際は、低刺激で肌に合ったものを選びましょう。

保湿ケアの重要性

保湿ケアの重要性

保湿は乾燥を防ぐだけでなく、皮脂の過剰分泌を抑える働きがあります。

ニキビ肌には、オイルフリーやノンコメドジェニックの保湿剤が適しており、刺激の少ない成分を選びましょう。
特に洗顔後は肌が乾燥しやすいため、早めの保湿が効果的。

しっかりと水分を補い、バリア機能を保つことで、肌トラブルを防ぎやすくなります。

食事で体内から対策

食事で体内から対策

食事の内容は肌状態に大きく影響します。
糖分や脂っこい食べ物は皮脂分泌を増やす原因になるため控えめにし、ビタミンB群・C、亜鉛、食物繊維などを積極的に摂りましょう。
腸内環境を整えることで、肌の調子も安定しやすくなります。

また、暴飲暴食を避け、規則正しい食生活を心がけることがニキビの出にくい体質づくりに大きく影響します。

フェミークリニックのニキビ治療

フェミークリニックでは、ニキビの種類や進行度に合わせて多彩な治療法を用意しています。
ケミカルピーリングや光線治療、内服薬・外用薬まで、症状に応じたオーダーメイドの治療が可能です。
肌質やライフスタイルに合わせて、最適なケアプランをご提案します。

ケミカルピーリング

お悩み:白ニキビ、黒ニキビ

ケミカルピーリング

白ニキビや黒ニキビの主な原因である角質のつまりを薬剤の力でやさしく除去する治療です。
ターンオーバーを整え、毛穴に詰まった皮脂や汚れを取り除くことで肌全体のトーンアップやニキビ予防にもつながります。
フェミークリニックでは、刺激を抑えた3種類のピーリング剤(サリチル酸・グリコール酸・乳酸)を導入。
肌質やニキビの状態に応じて薬剤の種類や濃度を調整しながら、負担の少ない安全な施術を行います。
ダウンタイムがほとんどなく、初めての方にも受けやすい治療です。

光線治療

お悩み:赤ニキビ、黄ニキビ

光線治療

赤ニキビや黄ニキビなど、炎症を伴うニキビに対して高い効果が期待できる治療です。
クリニックで導入している「クリアタッチS」や「クロモライト」は、アクネ菌を殺菌し、炎症を鎮める専用機器。
肌表面にやさしく光を照射するだけなので、痛みや赤みもほとんどなく、忙しい方でも無理なく通えるのが魅力です。
また、炎症の鎮静だけでなく、繰り返すニキビの予防やニキビ跡の色素沈着の改善にも役立ちます。
治療後の肌の引き締まりやなめらかさを実感する方も多い人気メニューです。

イソトロイン内服

お悩み: 重度の赤ニキビ

イソトレチノイン(イソトロイン)

繰り返す炎症性ニキビや他の治療で効果が出にくい重症ニキビに対しては、飲む治療薬「イソトロイン(イソトレチノイン)」の内服がおすすめです。
アメリカFDA認可の薬剤で皮脂分泌を根本から抑え、アクネ菌の増殖をブロック。
炎症を鎮めながら毛穴詰まりを防ぎます。
フェミークリニックでは患者さまの体調やニキビの程度に合わせて適切な容量を処方し、副作用や注意点についても丁寧に説明いたします。
肌の内側から働きかける根本治療として高い効果が期待されます。

内服薬・外用薬・コスメ

お悩み: 白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビ、黄ニキビ、重度の赤ニキビ

内服薬・外用薬・コスメ

ニキビの種類や肌の状態に応じて、ビタミン剤や抗生物質、漢方薬など症状に合わせて最適な処方をご提案し、効果的なスキンケアが継続できるようサポートいたします。
また、ゼオスキンやアゼライン酸配合クリーム、当院オリジナルのドクターズコスメ「agora」などもご用意。
院内で使い方を丁寧にご説明し、ご自宅でも安心してケアを続けていただけるよう心がけております。
再発予防や肌質改善をめざす方にこそおすすめの治療です。

銀座フェミークリニック 院長 北山 英美子

記事監修
銀座フェミークリニック
院長 北山 英美子
日本皮膚科学会所属

【略歴】
平成11年3月 東邦大学医学部卒業
平成11年5月 東邦大学形成外科 入局
平成11年5月 日本形成外科学会 所属
平成15年5月 日本美容外科学会 所属
平成15年5月 渋谷フェミークリニック 院長就任
平成16年11月 日本皮膚科学会 所属
平成18年2月 フェミークリニック 総院長就任